令和元年12月2日（月）午後２時より、岡山県宅建会館にて東支部成年部主催による不動産業者、
賃貸オーナー様向けの無料セミナーを開催し、会員を中心に44名の方にご参加いただきました。
　『悩ましい築古物件の賃貸経営講座　〜改修・建替え・資産の組み換え、どうやって判断すればいいの？〜』と題し、
築古物件を抱え、改修・建替え・資産の組み換えにについて判断に悩むオーナー様へ、
どのようなアドバイスをしたらいいか、不動産コンサルティングマスター向けのスペシャリティ講座の講師などもつとめる
田村 誠邦 氏（株式会社アークブレイン 代表取締役 / 一級建築士・不動産鑑定士）に解説していただきました。
　まず、賃貸事業を取り巻く中長期的な市場環境について、統計データを元に70歳以上の単身者
（特に高齢女性の一人暮らし）が増加すること、RC建築物の着工面積が減っているのに
工事の単価が高騰していることなどが示されました。
　次に、築古賃貸物件の課題として、市場競争力の低下とキャッシュフロー上の課題
（減価償却費を借入金の元金返済が上回る問題）を、リノベーションによっていかに克服していくか、
具体的な事業採算の計算方法を含めて解説されました。
　最後に、空き家問題の対策について「賃貸用の空き家」と「その他の空き家」に分けて考える必要性、
DIY賃貸の可能性や不動産業者が介在して空き家を活用する事例などが紹介されました。
　また、不動産業者のアドバイスが顧客の幸福やひいては寿命などにも大きな影響を与えることが示唆され、
職務の重要性を認識し、顧客に適切なアドバイスができるよう研鑽を積まなければならないというメッセージを受け取りました。
　内容は聴講者にとって身近なテーマであり、日々の業務に生かしたり考えたりするきっかけになったと思います。

講演会の様子